全国各地の医療安全支援センターにおける、さまざまな活動を紹介します。
【2016年度耳寄り情報第一弾】代表者ジョイントミーティング(JM)が開催されました!
2016年5月12日の午後、医療安全支援センター代表者JMが東京で開催されました。
代表者JMは、全国の医療安全支援センターの代表者(センター業務の統括者や相談担当者)に参加して頂き、医療安全支援センター総合支援事業の取り組みを知り、支援センターの活動についての理解をさらに深めて頂くことを目的に開催しています。
今回はどのような話題があったのか、支援事業事務局によるリポートをお届けします。
■『医療安全支援センターの現状と課題』
講師:東京大学医療安全管理学講座 児玉安司
医療法改正の経緯、医療事故調査制度についてお話がありました。医療安全への取り組みの中で生まれた医療安全支援センターですが、地域包括ケアシステムの中において、医療安全支援センターの機能がますます多様化しています。設置する自治体によって、小さくも大きくも舵を切れる支援センターの運営状況にありますが、今こそ改めて医療安全支援センターの役割を考えることが必要であると思いました。
■『医療安全施策の現状と最近のトピック』
講師:厚生労働省 医政局総務課 医療安全推進室
これまでの厚生労働省における医療安全施策についてお話がありました。特に昨年より始まりました医療事故調査制度について、法律等に照らしながら詳しい説明がありました。
また、近年、国民生活センター等で相談が増加している「美容医療」についても話があり、センターに寄せられる「美容医療」に関する相談事例の活用とともに、センター相談窓口の消費者への周知が求められているとのことでした。
■医療安全支援センター総合支援事業の取り組み
今年度は下記のプロジェクトチームを立ち上げます。
- ①ピアレビューの活動
- 経験のある相談員の相談力向上やメンタルヘルスのための支援を目的として、ピアレビューの場を設けます。センター相談員のOGがピアレビューアーとなり、相談員が自分自身の課題に気づいていくことで、相談力向上やメンタルヘルスも改善することを期待しています。また、相談員のピュアレビューの経験が、今後の人材育成の面でも効果的であると考えています。
- ②住民啓発研修
- センターに寄せられる相談・苦情から、相談者の課題、例えば「医療者とのコミュニケーション」、「医療機関の適切な受診行動」あるいは「医療上の決定における課題」が見えてきます。この課題解決に向けて、“真の賢い患者になれる住民研修”を作り、支援センターとともに実施します。
これらのプロジェクトの活動は、耳寄り情報で発信するとともに、成果については、相談対応ガイドブックの改定に内容を盛り込むことなどを考えています。
■情報交換のグループワーク
今年度予定している『相談対応ガイドブック2009』の改定についての意見交換や日々の業務で苦慮しているにことついて、グループで情報交換をしました。どのグループでも話題になっていたのは、精神疾患が疑われる患者からの相談の対応に困難を感じることがあるという点でした。あるセンターでは相談時間を決めて対応していたり、他の部署と連携を図って対応したりすることなどの情報提供がなされました。終了後のアンケートに「情報交換の時間はとてもよかった。もっと時間が欲しいくらい。」とのコメントもありました。センターの職員は、一人もしくは数名の相談員の配置であることも多く、他の業務と兼務の方もいらっしゃいます。ストレスの強い業務であるからこそ、他のセンターとの情報交換には大きな意味がありそうです。
まだ一度も参加したことのない方は、ぜひご参加ください。次回は今年度末に企画しています。