医療安全支援センターでは、国民の皆様の医療に関する心配や相談をおうかがいしています。

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全国各地の医療安全支援センターにおける、さまざまな活動を紹介します。

医療安全支援センター視察報告
〜愛媛県(県庁、中予保健所、松山市保健所)を訪問して〜

3月上旬に愛媛県の医療安全支援センターを訪問してきました。愛媛県松山市内には、松山城を囲むように、愛媛県庁、二次医療圏の中予保健所、松山市保健所の医療安全支援センターが3カ所あります。今回は、3カ所のセンターを訪問し、お話しを伺ってきました。

■松山市医療安全支援センター(患者の声相談窓口)

松山市医療安全支援センター(以下、センター)では、年間約1,000件の相談を受けています。相談のほとんどを専任の相談員1名で担っています。相談件数が多い背景として、松山市保健所管轄に43病院があることや、センターの周知に力を入れていることが挙げられます。市のホームページや広報に掲載するだけではなく、愛媛県薬剤師会発行『おくすり手帳』にも相談窓口を掲載しています。『おくすり手帳』は県内全域に配布しているため、市外の医療機関の相談や市外の住民が市内の病院についての相談なども多く寄せられています。センターでは、市民サービスとして医療相談に応じるのだという気合が感じられました。
 相談員は経験3年目の看護師さんです。相談員の姿勢として、相談者の「全てを受け止める」ことを大切にしているという話が印象的でした。相談者の背景が重要と言われていますが、実際に自分の経験を生かして、相談者の全てを受け止め、医療のことだけではなく、家庭のことなどの話も聞くことは容易なことではないと思います。

■愛媛県庁医療安全支援センター(患者の声相談コーナー)

次に訪問した愛媛県庁では、市のセンターとは違い、医療相談というより、“苦情”の意味合いが強い相談を主に受けられていました。県民にとっては県庁が「最後の砦」だと思い、なんとかしてもらいたいとの一心で相談される方も多いようです。そのため、相談時間も長くなることも多く、相談員の方々の負担は大きいようですが、「患者さんのため」と信念を持って仕事に励んでおられました。  センターの発展的な業務として、担当者が松山市医師会から依頼を受け、看護師の生涯教育講演会の講師をされていました。医療安全支援センターの相談事例から、医療安全へのアプローチとして、相談事例について、受講生と討議を行った、とのことでした。医療関係者に相談事例から医療安全を考えてもらう先駆的な取り組みではないでしょうか。

■中予保健所医療安全支援センター(患者の声相談コーナー)

中予保健所では、松山市を除く中予地域の相談に応じています。年間の相談件数は40件程度で、専任の相談員は配置しておらず、医療職の職員が主に相談を担当しています。相談件数が少なく、主たる業務は他の業務であるため、担当者としてできるだけ早く多様な医療相談に慣れ、迅速・適確に対応できるようにしていくことが課題であるとのことでした。

■3カ所のセンターを訪問して

どちらのセンターも相談員の育成を課題とされていました。松山市では、専任の相談員を配置されており現職の相談員のスキルは高いももの、1名配置であるため後任の相談員と時期が重ならず、結局のところ、相談員の個人の資質によるものが大きく、スキルや経験の継承が難しいこと。県や二次医療圏でも、相談業務以外の業務も忙しいこともあり、相談員の個人の資質によるところが大きいことや、定期的な人事異動により、スキルや経験の継承が難しくなっているとのことでした。
これは愛媛県のセンターに限らず、全国のセンターに共通する課題だと思います。センター単体では難しい相談員の育成について、各センターの担当者からお話しをお聞きしながら、総合相談支援事業においてサポートしていく重要性を改めて感じました。