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2015年度 ブラッシュアップ研修報告 〜京都編レポート〜

2015年7月21日、京都でブラッシュアップ研修を実施しました。

ブラッシュアップ研修は支援センターでの相談対応スキルアップと相談員さんの交流を目的とした研修で、NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLと共同で企画しているものです。今年度も東京と京都で2回開催しました。研修概要は、ブラッシュアップ研修報告東京編をご覧ください。

今回は、相談員経験ゼロ(総合支援事業のお手伝いをさせて頂いております)の私が参加させて頂いた後半のロールプレイのレポートです。

■午後プログラム(ロールプレイ)

午前プログラムであるCOML理事長、山口育子さんの講義の後、お昼休憩を挟んで、午後はいよいよロールプレイです。

■全体ロールプレイ

まずは全体でのロールプレイ。相談員役は、皆さんを代表して有志の方に行って頂きました。一方で、相談者役は、COMLで相談員をされているYさんに行って頂きました。COMLでもロールプレイの研修を行うそうで、Yさんは山口さんが「この人がいないとロールプレイの質が下がる」とおっしゃるほど相談者(模擬患者)役のお上手な方です。今回の全体ロールプレイでも、相談者役に入り込んだ迫真の演技をご披露くださいました。相談員役の方もたじたじのご様子でしたが、一生懸命Yさんのお話に傾聴をされていました。

その後は、グループごとに全体ロールプレイの感想や意見をまとめる時間が取られます。そのご意見の発表の後、山口さんからのコメントがありました。相談員役の方も、普段同じ業務をされている参加者の皆さんからフィードバックを受けられたことは有意義だったようです。また、全体ロールプレイには参加されなかった方々も、山口さんのコメントから個別ロールプレイに向けて気を付けるべき点が見えてきた様子でした。私も、経験ゼロのところからロールプレイができるか不安でしたが、皆さんのフィードバックや山口さんのお話を伺って、ロールプレイのイメージが少し湧いてきました。

■個別ロールプレイ

続いては班毎に行う個別ロールプレイです。参加者の皆さんが3人1組で班を作り、相談者、相談員、観察者に分かれて模擬事案を使った相談を行います。事案は3つあるため、全員が3役を1回ずつ担当することができます。

私は、最初は相談者役でした。相談者役は事案の書かれた紙を読んで、それを元に相談員役の方に相談します。紙に書かれた事案は、当然私の身に本当に起きたことではないのですが、実際にやってみると不思議と感情移入してしまい、「もう本当えらい目に遭ったんですから!」と一生懸命自分の状況を訴えてしまいました。そんな私に対して、相談員役の方は穏やかながらテンポよく聞いてくださり、「そうですね」といった何気ない一言でも十分に「この人は私が大変だったことを分かってくれている」と感じることができました。

次は相談員役でした。相談員の経験が全くない私は、相談者役の方のお話を伺って事実関係を整理するので精一杯でした。「どうしたら少しでもお気持ちが和らぎますか」と伺ったタイミングが早すぎて、最終的に「ひどい目に遭ったからお金を返して欲しい」と言われてしまい、「それは難しいと思います……」というところで会話に詰まってしまいました。1回1回のロールプレイの後で、相談者、相談員、観察者の3人がディスカッションをするのですが、その時に「どうすればいいか先に聞かなくても、ただ話しているうちに落ち着いて電話を切る人もいるんですよ」というフィードバックを頂き、なるほどと思いました。相談者役の方と私の会話は、2人して混乱していくばかりで、相談者役の方は「自分のことで、自分で相談しているのに混乱し続けている相談者さんが実際にいるけど、その気持ちが分かった気がする」とおっしゃっていました。

最後は観察者役です。自分が役に入り込まない分、出来事を冷静に捉えることができます。今回は相談員役の方が絶妙なタイミングで共感を示されたシーンがあり、事後のディスカッションでも相談者役の方が「ああ言ってもらえたから、すっと気持ちが軽くなった」とおっしゃっていて感心しました。

このロールプレイの醍醐味は、普段の業務と同様に相談員役をすることで、他の参加者の方から技術的なフィードバックを受けられることだけではありません。普段とは逆の立場である相談者役をしてみることによって、相談者の気持ちに近づくことができ、いわば相談者の目を通して自らの業務を振り返ることができることこそが重要なのだと思います。実際、ロールプレイの後のディスカッションで積極的に意見をおっしゃるのは相談者役だった方が多いように感じました。終了後のアンケートでも、相談者役をしたことについて触れ「新鮮でした」「気づきが多かった」「相談者の気持ちを少し理解できた」といったコメントがありました。特に共感の難しさ、言葉を掛けるタイミングや内容について、具体的な気付きを得られた参加者の方が多かったようです。

■ロールプレイを終えて

ロールプレイの前は、医療安全支援センターに相談をした経験も、もちろん相談を受けた経験もない私が上手くできるのかとても不安でした。終わってみても、上手くできたとはとても思えませんが、「意外と何とかなる」というのが率直な感想です。厳しいトレーニングというよりは、お互いの胸を借りて勉強させてもらう、という感覚でご参加頂くのが良いようです。ロールプレイは効果を実感される方が圧倒的に高い研修方法ですので、積極的に行って頂ければと思います。

猛暑日の京都で丸一日の研修でしたが、参加者の皆さんは疲れた様子も見せずいきいきと取り組んでいらっしゃいました。個別ロールプレイの終了後は、班の規模を少し大きくして、全体の振り返りや普段の相談対応で抱えておられる悩みを共有する時間としましたが、そこでも非常に活発な意見交換がなされていました。今回のブラッシュアップ研修で学ばれたことを日々の相談業務に活かして頂ければと思います。また、アンケートに「楽しくでき、かつ勉強になりました」というコメントがあった通り、研修を通して他の地域の相談員の方々と交流を持つことで参加者の皆様の息抜きともなっていれば幸いです。